神奈川県民の皆さまへ
日本における死因の第一位はがんですが、心臓病による死亡も第二位でありその予防がとても大切です。日本人は塩分摂取が以前から多いため高血圧にかかるひとの数は昔から多いですが、食生活の欧米化等による影響から、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病も増加しています。循環器病(心臓病、血管病)においては生活習慣病と密接に関連した重篤な病気が多く存在し、心筋梗塞、心不全、大動脈解離等にかかると病院に到着する前に命をおとしたり、また助かってもその後生涯にわたる医療が必要となります。
その中で急性心筋梗塞は、死亡率が約30%といわれており、実際は病院にたどりつく前に突然死をされている患者さんも多数いるといわれています。しかし、神奈川県においてどれくらいの患者さんが心筋梗塞になり、どこでどういった治療をうけており、どういう転帰をとられているかについての情報はきちっとわかっておらず、他の県と比較してどうなのかあるいは神奈川県の中で違いがあるか等については全くわかっていません。よって、これらの正確な情報を把握することはとても重要で、これらの情報が患者さんのよりよい治療につながることは間違いありません。
よって、今回、神奈川県の全域の主要な病院において急性心筋梗塞の実態調査を開始し、いずれ心不全、大動脈解離といった他の命にかかわる循環器救急疾患についても調査したいと考えています。
心筋梗塞について
心筋梗塞とは、多くはその冠動脈に存在するプラークという動脈硬化部位が破綻し血の塊ができて詰まってしまい、その先の心臓の筋肉に血液が行かなくなり筋肉が死んでしまうことをいいます。